釣に山

斧　正已

 

井上文男様

 

御来信を興味深く拝読いたしました。

 失礼ですが、貴殿とはどこか似た所があるようですね。小生も天邪鬼なところ大いにありますが、子供のころから何せ引っ込み思案の方で、いまだに人見知り気味です。今回（5月30日）初めて同期会に出たのも、石原、中西の両兄が上手に誘い出してくれたからでした。その上幹事の石原兄が何かと手を回す配慮をしてくれたので、楽しく過ごせました。その結果、貴殿とのつながりも出来ました。

  　釣。子供の時から雑魚釣りは良くやりました。戦中は艦載機に狙われて竹竿を持ったまま堤防下に逃げてなんとか間に合いました。近所の小父さんに連れられて恩智川へ鰻の夜釣に行ったこともありました（ぼーずでした）。

　大阪湾に穴子の夜釣りに連れて行ってもらった事もありました。大阪時代にもう一件、会社の同僚と淡路の福良沖でキス釣りをした事がありましたこの時は大漁でした。

 井上さんのキビレですか、目の下一尺と言うやつですね。小生にも一度だけ目の下一尺の真鯛を釣った事があります。25歳で群馬に転勤になってからですが、外房の鯛ノ浦での船釣りでした。釣り船では必ず船酔いをします。

 この時も、酔っぱらって寝ていて、起きて手繰るとすぐに来ました。この1匹だけで他の2人には雑魚の他は来ませんでした。小生は独身寮でしたので、この鯛は先輩に進呈しました。

　その後も何度か行きましたが船酔いがきついので30歳くらいでやめました。磯釣りはしたことがありませんが、石鯛とか黒鯛とかを揚げるのは豪快そうで憧れでしたが。

 

　 閑人ですから、ついでに山の事も少し書いてみます。山歩きの最初は、国民学校3年生頃と思いますが、親父に連れられて兄と3人で枚岡神社から暗峠経由で生駒山に登り信貴山まで縦走しました。 帰りは電車だと思います。

 以後大阪時代には会社の同僚との大台ケ原山とか中西と伊吹の夜行登山（台風一過後で我々2人だけでした）とか同じく中西と「赤目四十八滝」に背広姿で行って山越えを企て、道に迷い野宿をして翌朝何とか下山した事などです。

 赤目の朝自分は切らした煙草を中西から「新生」を1本貰い吸った時の美味かったこと、一生忘れませんね。

 25歳で、生まれ育った大阪河内を離れ、群馬にやって来ました。転勤が決まった時、関東に行くなら、富士山、谷川岳に何故か丹沢には登ってみたいと思いました。丹沢には行ってませんガ２座は望みを果たしました。

　 我が山歩きは、山岳部の様に下からきちんと登ったりはせず、車やロープウエイなど乗り物の終点から歩きます。

 基本の同行者は女房です。グループでも３回位は往きましたが、ペースが合わず迷惑をかけるのと、対人関係が面倒くさいので何時も２人です。

 主として高山植物の写真を撮りながらなので、案内地図の2倍くらい掛ります。これもグループ行動に向かない理由です。

 　素人が2人で行くのですから、剣、穂高、槍などの難しそうな山には行って居りません。今までに１５６ヶ所に行き、近くの金山(最高地点２３５m)の85回を最高に278回歩きました。内、いわゆる日本百名山は25座です。3000m以上の山は乗鞍岳の3026m、立山(雄山3003m、大汝山3015m)の3座だけです。北岳や御嶽山行こうと思って少し調べたりはしましたが結局は果たせませんでした。

  ヨーロッパの山は、誤解のないように先ず断っておきますが、登るのではなく見るためです。22年前にツェルマットのホテルの窓から初めてマッターホルンを見た時の感激は忘れられません。夜の10時頃でも見えたのでバルコニーに3脚カメラを据えて4時間くらい、朝は5時半から7時までバルコニーに出ずっぱりで、眺めてはシャッターを切っていました。

 くだくだと勝手なことを書いてしまいましたが、御寛恕の程をお願いします。　　　　　　　　　　

 

 

 

悠早！　斧様

井上文男

 

　第2信　ありがとうございます。

　艦載機の機銃弾に追われた少年だったのですね、そんな目にあった人に直接聞くのは初めてです。

　映画「禁じられた遊び」ご覧でしたか、冒頭のシーンで独軍戦闘機に避難するフランス人たちの列が機銃掃射される、それであの女の子が両親と生き別れになってしまう、あの映画の少女の年齢が終戦時の私と同じ多分5歳くらい、そして少年が小6くらいで大兄世代、私たちが戦争被害体験を記憶する最後世代ですね。今の政治家たちはほとんど戦争を 体験しない連中、体験の裏付けがない言葉だけ口先の平和で危ないですね。

　私は３月東京大空襲焼夷弾の火に追われ祖母に背負われ逃げ得て現在あります。

 

　「悠早」は、中国語挨拶の「お早う」です、高津１－Ｇするめ先生担任で掃除当番一緒だった同級生が、朝日新聞北京記者から朝日「ウイクリーエンド・経済」編集長を定年退職し、その後、中国で相互理解にと日本語塾を10年以上やっています。彼とのメール交換で、せめて挨拶だけでもと使っているですが、彼のブログ”桂林＆南寧発・・なんのこっちゃ”　は、おもろいでー、中国通になれまっせ、朝日におったのに中国共産党嫌いの「へそまが」KOZU自由人でっせ。

 

　再見