０９．０１．２２
第九十回 高津五期俳句会
平成二十一年 一月十二日
竹尾 嘉文 選
不景気もあざ笑ふかの冬の月 今井 由紀子
囲はれてひっそり咲ける寒牡丹 松浦 武子
三門の臘梅映えて香り立つ 飯田 昭子
ひかへめに生きて今日あり屠蘇祝ふ 西本 俊子
山門のそばに千両色添へて 塩田 亘子
転び初め只では起きぬ積りなり 浅香 さとみ
万両のひそかに赤し庭の隅 村島 栄三
メモ片手買い物せはし年用意 小田 一栄
鉢植ゑを並びかへたる四温かな 西本 俊子
三寒や墓参すませて講話聞く 飯田 昭子
寒風にめげずつわぶき穂綿つけ 松浦 武子
風邪ぬけぬ夫におもねて年迎ふ 久貝 貞子
大伽藍紅葉の中に定まりぬ 塩田 亘子
健やかに幸多かれと屠蘇をくむ 飯田 昭子
神詣あゆみも緩む四温の日 小田 一栄
めでたさは皆揃ひたる雑煮かな 平林 友一
山を越え古の道初詣 松浦 武子
初時雨古刹にひそと利休井戸 今井 由紀子
注連縄の稲穂ついばむ初雀 久貝 貞子
陵に鳥影定かなる四温 村島 栄三
孫たちで妻目のまはる三ケ日 平林 友一
庭の隅葉蔭に可憐実千両 飯田 昭子
水茎の流れなつかし賀状受く 飯田 昭子
万両朱しはじめての女孫 浅香 さとみ
心経に心をこめて寒の行 小田 一栄
三家族集ふ笑顔や去年今年 久貝 貞子
万両や赫き実ひそと葉の下に 松浦 武子
虎落笛戸を打つ音に足煉む 小田 一栄
実千両鳥啄みて枝寂し 村島 栄三
夕暮れの雨に急かさる年の暮 小田 一栄
四温晴れ子等も元気に遊びをり 松浦 武子
初日の出雲間明かりの厳かに 今井 由紀子
窓越しに遊覧船の恵方旗 久貝 貞子
除夜の鐘聖なる余韻身にしみる 塩田 亘子
道路鏡に写る淑気の街曲る 浅香 さとみ
新年おめでとうございます。今年も楽しく句で遊びたいと
思います。
新年句会は一月十二日に行われました。相も変わらず賑やかな
一時を過ごせました。気になる句もあったのですが、ゆっくり拝見する
時間がありませんので、今回は直さないで報告します。
悪しからずご了承下さい。