鑓君、心に沁みるリレーエッセーをありがとう。君から送られてきたきれいな文字の並ぶFAX原稿を一読、心に沁みてこれはすぐに同窓の皆さんに読んでもらわねばと、その日の内にお世話願っている野口君にタイプし送りました。日ごろの私の愚図を知っている野口君から、余り早いので驚いたという返事を受け取りまた。

私の知っている鑓君はこのエッセーから受ける印象と全く違いました。体が大きくて、当時甲子園出場も夢じゃない強い高津高校野球部の３塁手でした。校庭で見る君は颯爽としてグロウブ裁きは見事でした。体操の時間、体力測定のソフトボール遠投では、段違いの飛距離を納得して眺めたものでした。それでいて、クラスの中ではいつも穏やかでニコニコしていましたね。

その君がキリスト教会の牧師として、新しい人生の旅立ちをするカップルに励ましの言葉を投げかけ、又遠隔地に見る現代社会のひずみに心痛める生活を送っておられたとは。そっと触れられた奥様の死は、もしかして「人生とは、人間とは何か」と問いかけるこのエッセーの主題ではなかったかと思いました。

私といえば、ありがたい事に二人の娘はそれぞれ母親となり、孫は４人、私は家内と二人、自ら忙しさを求めての生活を送る極楽トンボの日々で、今の夢は子供のころ行き来した３８度線をもう一度汽車で渡る事です。（もっとも、旅行嫌いの家内との同行は最初から諦めておりますが。）

次のリレーエッセー、君からのご指名を受けていますが、とてもこのテーマを受け止める力はありません。理解すべく頑張りますので少し時間をいただいてご一緒に考えさせてください。それまでに多くの方からのご意見が寄せられることを期待しております。

極楽トンボは「元気でいさえすれば、後はなんとかなるさ。」が口癖ですが､このごろはそうも言っていられない。体のあちこち、なんだかんだと面倒が起きています。人間８０才ともなれば強がってもいられないですね。

例年にない暑さの日々が続きます。お体ご自愛ください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１３年９月１日　　伊藤公博（旧姓　安保）