リレーエッセイ

再開　村島榮三→鑓　純宏

2013-8-28

鑓　純宏

　高津を出てから60年になります。この間、諸兄がどのような人生を送られたのか　その断片を聞くのが楽しみに同窓会に出かけています。然し年々歳々一人欠け、二人欠け、話を聞けない人が出てくるのは残念ですが、考えてみれば80才が目前です。
　小生6３歳で定年になり、その後下請けで75才まで勤めました。６３才の時に家内が亡くなり、以後１６年間独り暮らしです。この間、縁あって遠隔地のホテルと結婚式の司式に派遣契約をしているキリスト教会の牧師として土、日曜日には串本、伊良子岬､富山、松本などのホテルへ出かけました。そこでは、凡そ資本主義とは関係ない人々が自給自足に近い生活をしているのを見て、人生とは、人間とは　考えさせられました。
　目下独り暮らしです。月、２〜３回ゴルフに行き、後は、ステレオを聞いたり、絵を描いたり、好きな本を読んだりしています。今日この頃、人生とは、人間とは?　考える毎日です。次回同期会で諸兄に　人生とは、人間とは何か　教えを請う積もりでいます。よろしく。
　子供は３人で、長女は東京の国立にいます。坊主２人が近くにいます。孫は７人です。小生は両親に親孝行らしい事をしたことがありませんでした。然し、子供３人は父の日とか誕生日とかに　毎年祝ってくれますが、これが面映いというか、なんとも恥ずかしい。
　まあ　平々凡々の毎日ですが　あと　何年生きられるか、できれば残りの人生、全国をさまよい歩きたいと思っています。
　「幾山河　越え去りゆかば淋しさの果てなん国を今日も旅行く」（牧水）
寂れた漁村や、ひなびた山村を旅するのが夢です。最後は孤独死というか、行き倒れ人で終ってもよいと思っています。
　息子に「延命治療はするな」といったら、「遺書」を書いてくれと言われました。　もう近いのでしょう、あの世が、然しあと一年か二年　いや十年、それ以上か分かりません。それでも　諸兄と会うのを楽しみにしています。
　あっ！　今日の夕食のおかずは、何にしようか　迷っています。

それでは　　次回は　伊藤公博君にバトンタッチを



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（８月２７日　伊藤公博入力）