昨年私の身内の事で貴重な紙面をお騒がせしました。何かお返し出来ないか色々考えました結果、介護、医療、訴訟に明け暮れた四年間に実体験したものの中から、少しでも参考にして頂けるものがあればと思い書いてみました。

“そんな事言われんでも分かってる”とお叱りを受けるかも知れませんが、その際は私の浅学をお許し頂き度。

 

“血液検査”

皆さん何方もご自身の健康管理には常々細心の注意を払って居られる事と思います。健康に自信のおありの方はお役所から年に一度の成人病検査を、これでは物足りないと言われる方は、これに上乗せして人間ドックを受け、何かあれば主治医なり専門医に診て貰う、これが一般的な管理の仕方ではないでしょうか。

 

私は若い頃結核や肝炎を患いましたので、長年ドックを受けて来ましたが、家内は丈夫だった事もあり、お役所からの年に一度の検診のみでした。

検査項目の中の血液検査表では貧血を見る為として、赤血球数正常値女性３８０〜４８０万/mmの３乗、ヘマトクリット正常値３５〜４８％とあり、どちらかにはみ出せば異常が分かる筈でしたが、ある年から突然に赤血球３５９以下、ヘマトクリット３５．４以下として、下へはみ出した貧血だけを見る表に変わっていましたので、数値が上に大き目に出ていたにも拘わらず、何ら問題の指摘は受けませんでした。

其の後私も家内も大阪で仮住まいしました為、翌年は地元の検診では無く、大阪で血液検査を受けましたところ、家内の赤血球数、ヘマトクリット値が異常に多い事が分かり、阪大病院で診て貰いましたら多血症と診断、直ぐに瀉血（血を抜いて捨てる）、投薬を受ける事になりました。

私は地元役所の健康管理課に電話を入れ“血液検査で上にはみ出した数値を見ない表はおかしい、実はこう言う事が実際に起こっているから直された方が良い”と具申しました。“聞き置く”との事でしたが改善されたかどうか、東京へ移りましたので確認は出来ていません。

どうも素人考えですが、お役所の血液検査では貧血を主眼に見ている様です。

 

上にはみ出した場合は多血症と言う恐ろしい病気があります。

家内の場合も真正多血症、つまり血液が異常に増殖する一種の血液癌と分かり、其の後の治療に大変苦労しました。

皆さんのお役所の表ではそんな馬鹿な事は無いと思いますが、下の貧血を見るのも重要ですが、偶には上へのはみ出しにも気を付けられる様お勧めします。

 

“介護認定”

介護サービスを受けるにはお役所の介護認定審査会の認定を受ける必要があるのはご存知の通りです。程度により軽い一級から重度の五級まであり、級が大きい程受けるサービスも多くなり、それだけ国の負担も大きくなります。

 

家内は退院時二級でしたが、二年毎に更改の為、審査会から派遣される調査員による面談・尋問を受ける事になります。

この面談の直前に知り合いの看護師さんから　「その日は寝てなきゃ駄目よ！いい恰好しちゃ駄目よ！だってみんなそうやってるんだから」　「？？？」　つまり良化していると見られると等級が上がり、受けられるサービスが減る、悪化していると判断されたら等級が下がり、サービスが増える、と言う事になるからです。

 

成程世の中には実力以下の評価を受けた方が得する事がある事を知りました。こんな事があるからお国も介護費にお金が掛かるし、保険料も上がる筈だと納得した次第。

それでお前のところは如何したんだと言う事になりますが、この二年間に明らかに悪化していましたので、当たり前の事ですが、ありのまゝ対応させました。結果は二級から四級に降格でした。

誰かさんの様に芝居が打てる程元気であってくれたらなあとつくづく思いました。

 

未だ拙文の続きがありますので、宜しくお付き合いの程お願い致します。　　　

　平成28年1月26日             　　以　上