12.10.18
額田さんの今年の独立展
野口 幹夫
東京で三水会の会合があったので、その機会に独立展の額田さん
の絵を見に行ってきました。エチオピア連作を続けておられ
ます。まずお元気でなによりです。
独立展は80周年の記念で、かつ初日だったので、額田さんは会場に朝
から見えていたようでしたが伊藤と手分けして3階まで探したのです
が、会えませんでした。会えたら色々とお聞きできたのに残念でした。
エチオピア南部の部落に分け行って制作される額田さんと村の人々と
のあいだにどんな交流があるのかなといった思いを巡らせて見ていま
した。毎年背景に大勢の人々がいて、それと離れてひとりかふたりが
近い存在で描かれるという構造は毎年のものですが、必ずしもこちらに
視線が向いていなかったのが、昨年はひとりの女性の強い眼差しを
感じました。
今年はそれが二人、背景の人物もこちらを眺めているようです。
右の女性は子供を抱きながら薬師寺の月光菩薩をおもわせる姿態、左の
少女は赫い土の人々のなかで、古代紫をまとい、あこがれを秘めたよう
な眼差しをこちらに向けています。
言葉は通じないかもしれないけれど、この村の人々の暖かい関心に
包まれて額田さんは絵を書いているようです。
