目指す夢届かぬことと霜を踏む　　　　今井由紀子
托鉢の僧立つ街の風寒し　　　　　　　塩田亘子
能勢電の景色楽しみ早春賦　　　　　　久貝貞子
寒波急失はれゆく骨密度　　　　　　　浅香さとみ
寒すずめからすに追われ数減らす　　　松浦武子
鳩たちの蛍光色の首寒そう　　　　　　今井由紀子
しんしん
深深と雨の上町かすむ視野　　　　　　塩田亘子
節分の音感こころ和ませる　　　　　　久貝貞子

今年は本当に寒いですね、春待つ句の少なさにも表れているようです。立春を過ぎると春の句にしなければと思いますが、さてどうなりますか。

五期俳句会　第百五十回　二月三日

書道の方で同期ではないが二人の新人が加入，その為基本の手ほどき、手ほどきが済んでも、俳句の見学で、いつもは俳句がすんでから食べるお菓子も先に配る。
少々遅くなったが五名揃って始める。

大寒や階段多き地下の駅　　　　　　　浅香さとみ
寒波来て背を延ばし又丸めいる　　　　今井由紀子
大寒や八十路まではと気合入れ　　　　塩田亘子
うみ
湖の岸餌もつ人に寄る白鳥　　　　　　松浦武子
木枯しや高層の灯の揺れて見ゆ　　　　今井由紀子
雪見旅約束の人千の風　　　　　　　　塩田亘子
枯れ蓮や水に地獄の絵図ありや　　　　今井由紀子
粕汁にほろっと酔いていい心地　　　　塩田亘子
輪をかけてずぼらになりし炬燵かな　　浅香さとみ
　　　　　　　　　　　　　　　　やぶこうじ
里山の小径にひそと藪柑子　　　　　　松浦武子
黎明の晴れし冬空鎌の月　　　　　　　松浦武子