藤本 勇 光子
ホームステイが始まりました。
ローズさん宅は日本で言えば芦屋か田園調布のような高級住宅街にあり、とてもいい環境です。
緑に囲まれプライバシーは守られ、各々趣向をこらした庭を歩いてまわるだけでも楽しい。歩いて
５分の所に広大な湿地帯があり、プケコやおしどりなどがいっぱい泳いでおり、ブッシュウォークも
楽しい。またバス通りにはエベレストを初登頂したヒラリー卿の豪華な家もある。
ローズは元ニュージーランド航空のスチュワーデスだけに英語もていねい。聞いていて気持ちのいい
トーンで話される。分からないことがあれば、徹底的に本を持ってきて説明してくれ、又その説明が
わからなくなり電子辞書が今回ほど役に立ったことはない。今までの旅は、わかりませーん、で放棄
していたのかも。
今はガーデンのプロデュースのお仕事。だから庭はすばらしい。あまり大げさでなく、手入れのいらない
サボテン類をまわりに植え、その奥に石楠花ややさしい色の花々が植えられており感心する。暖炉の
ある広い居間、使いやすいキッチンと食堂。私達の使わせてもらっている部屋は２０畳以上もあり
バストイレ付きである。
夕食後は彼女の英語のレッスン。学生時代に戻った気分で一生懸命くっついているが、すぐに忘れる
のは年のせいか？ でも彼女は登山も好きなので山の話がよく出てきて楽しい。
ローズ宅には１７歳のドイツの女の子もホームステイしている。時々彼女の甥っ子も泊まりにくる。
何だか賑やかで楽しい家だ。彼女の休みの日には車で１時間ほどのファヌア国立公園のブッシュ
ウォークに連れていってくれたり、カツオ鳥のコロニーのあるムリワイビーチへ連れて行ってく
れたり、よくしてくれる。先日はイカ、魚、かぼちゃ、玉ねぎ、ビンーズの天ぷらを作って、すごく
喜ばれた。来週は一緒に焼き鳥を作る予定。
ワンガヌイの川下りの時、ロッジでたまたま泊り合せたジョーンが電話をかけてきてくれた。迎えに
行くから遊びにこいとのこと。約束の時間に迎えに来てくれて彼の家にワインを１本持って行った。
道中すばらしい夕焼けの中ジョーン宅に到着。小さなファーム（２２エイカー）とのことだったが、
びっくりするほど広い。道路を入ってからもずーと舗装されていて玄関まで遠い。庭には夜間照明の
ついたテニスコートまであり、フルーツやオリーブのいっぱい実ったガーデン。その先には放牧され
た羊。ウーン。
川下りの時ご一緒だった彼の奥さんのジルやジョーンの弟夫妻と一緒にテーブルに着く。そのとき
思いがけないプレゼントを頂いた。カメラの壊れた私たちには川下りの写真は一枚もない。２人が
楽しそうにカヌーで下っている写真が大きく伸ばされ額縁に入れられたのをプレゼントされた。
ウッとなるくらい嬉しかった。その他１０枚あまりの美しい写真もちゃんとアルバムに入っており
何よりの記念だ。何とお礼を申し上げていいのかわからない。
ジルの料理やデザートは素晴らしく、つたない会話ながら本当に気持ちよくもてなしていただいた。
来年は是非ファームステイもするように言ってくださり、羊のノミを承知で頑張ろうかなぁー。
帰りはシティまで５０分の所をジルに送ってもらった。別れる前に見上げたファームの夜空は満天の星。
ニュージーランドの大自然を感じる。
帰ってから二人でしみじみとハッピーな出会いに感謝した。私達も見習わねばならない。決しておし
つけがましくなく、フレンドリーで明るく、ちっとも緊張しなかった。これはこの家の人々の暖かい
性格が大いに影響していると思う。私達がここ数年こんなにもニュージーランドが好きになったのは
大自然の豊かさ、美しさだけでないことをしみじみ感じいった一日でした。
明日から、もっとローズのレッスン頑張りまーす。
