０７．０６．０４
　　　　　　　　　　　　ロシアのトリビア（３）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　太田　隆次

　トリビア10  モスクワなど大都市は、高級車とポンコツの車で溢れている

　　モスクワやサンクトペテルブルクで驚くのは、自動車で溢れかえって

いることです。しかし、その溢れ方が尋常ではありません。レンタカーで

方々に行き、数日間よく観察し、ロシア人の話を聞くと、これは健全な現象

ではない、実はこれが現代ロシアのかかえる自動車事情なのだと、深刻さが

次第に分かってきます。ドイツ、アメリカ、日本、韓国など国を問わず、

輸入高級新車からポンコツ車まで何でもありで、車不足をしのいでいる

最中ということです。故障が多く、道路の真ん中で立ち往生している車を

よく見ました。交通渋滞の大きな原因でもあるそうです。

　　ロシアは貧しい国という先入観があると、モスクワの道路や駐車場に

ベンツなどの輸入高級車がズラリと並んでいるのに驚きます。機械への

ドイツ信仰でドイツ車が多い。かと思うと、ハバロフスクあたりから

陸揚げされたのでしょうか「安原商店」などと日本の旧オーナー名を

消さずにけなげに走っている日本の軽トラックや、よく故障しデザイン

が古臭く色もくすんでいてロシア人にも不人気の国産車など、ピンから

キリまでいろいろの組み合わせの車がモスクワ狭しと走りまわっている

わけです。理由は簡単です。需要と供給のアンバランスです。外国メーカ

の進出を大統領自ら熱心に誘致していますので、国内生産が軌道に乗るまで

の過渡期的な現象のようです。最近もプーチン大統領のお声がかりで、

トヨタがサンクトペテルブルクに工場を建設することが決まりました。

   経済の自由化で車の需要がここ数年で爆発的に大きくなり、ガソリンも

世界１，２を争う原油国で心配ない、しかし、供給は、肝心の国産車は

ソ連時代の陳腐化した生産技術が貧弱なまま、従って当面、車の輸入

自由化でなりふりかまわず急場をしのいでいるわけです。韓国車や

日本車の野外の販売価格入りの広告もよく見かけます。レンタカーも

はやっています。写真は外車ばかりの車と、私たちが借りたレンタカー

です。三菱自動車のブランドが見えるでしょう。

都心の車は外車ばかり　　　　　　　　　借りたレンタカーは日本車