06.06.08 
                                            今井　元一さんのこと

　　                                            　中西　卓と野田　泰弘のメールやりとり

　　　　　中西　卓　様

　　　　　メールありがとうございました。

　　　　今井　元一様のことで、ちょっとびっくりしたことがありました。

　　　「交遊の広場」No 321に掲載した「額田歯科医院の百年」  ）の注で小生は、はじめ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ココをクリック）
　　記憶のままに、額田晃作さんの父上を「我々の校歯科医」と紹介したところ、額田
　　さんからお電話をいただき、当時の校歯科医は今井さんとおっしゃる方であった、と
　　訂正を教えられ現状のものに変更しました。

　　　　申し訳ないが、小生には今井さんについて記憶知識が全くなかったので、当時の
　　男女バスケット部の指導援助に多大の尽力をされた方であることも、初めて教えられま
　　した。

　　　　　そうしたところへ、貴兄のメールをいただき、“同窓のふれあいの輪”がひろがる
　　手ごたえを痛感いたしました。おそらく、他に心あたりの方もおられることと
　　拝します。「気軽に一言」へ転載させてください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　野田　拝

      野田　泰弘　様　　

 　　 額田兄の記事を興味深く読ませていただきました。

　野田さんが歯科校医のことで訂正されたこの機会に、ひと言メールをさしあげます。私達が
　在学中の歯科校医は、今井元一（中学８期、小生の叔父）でした。　昨年の同期会で、中川
　進三兄らとバスケットボールのコーチをしていた今井のことを話したところでした。
　私にとって叔父は仲人を頼んだりもしてお世話になった恩人ですが、時効をいいことに
　　思い出の断片を語らせてください。

僕は定検を受ける近くの歯科医から80-20を保証されている。つまり、歯の優等生なので
　ある。戦前、叔父が玉造・日の出通りで開業していた頃から、姉と僕は夫妻に可愛がられて
　出入りしていたので、折々歯並びや虫歯のチェックをしてもらってたお陰だと思う。

　叔母の美代は父の10人を超える姉弟妹の末っ子だったからか、気侭に育ったようである。
　少女期、与謝野晶子に影響されたに違いないと思うほど、自由奔放に生きた人であった。

　叔父は幼少時に今井家の養子になり、一人っ子で育った。高津の校風の中で「自由人」が
　形成されたようである。因みに織田作は1年後輩である。二人がどこで出会ったか知る由もない
　が、当時希な事実上の学生結婚だった。

　叔父は今でいう老人ホームの患者からは治療費を受取らない、貧乏暇なしの歯医者だった。
　手先が器用で技工も自分でこなしていたため、深夜まで仕事をして健康を害したのだろうか、
　還暦を待たずに亡くなった。
　忙中閑の楽しみは、高津へ通いバスケットの女生徒に会うことだったのかもしれない。中之島・
　佐治ホールで　諸姉の話から、さもありなんと。

　無精ひげとざんばら髪で風采かまわぬ人でしたが、僕ら姉*弟にとって、実の親父以上に面倒を
　みてくれた優しい叔父だったと感謝しています。

中西　卓

　　　　　*当時の男女交流で、藤本勇兄の姉上らと一緒に旧制清水谷高女から高津に転校。卒業の年、
　　　甲子園に出場した輝かしい3期生で、粟井投手と同級でした。