渡嘉敷島の自然、 退屈知らずの１週間
沖縄県那覇市その西140キロ沖にある慶良間諸島 その中に渡嘉敷島はある。
私は現役時代に幾度かこの島の上を低空飛行する機会が有り その美しさに惹かれていた。 事実那覇1泊の折 渡航を計画したが当時の船便は1日一便のみ、それも海が荒れたら欠航との事、とても無理とあきらめるしか仕方が無かった。
交通不便のためこの島は那覇市から見える距離にありながら旅行会社から無視され続け一日２便の高速艇を導入した現在でもダイビング愛好者以外にはあまり知られていない。 その不便さのお蔭ですばらしい自然が残されることになった。
三月に入り日差しが強くなり暖かいところでScuba diveをと思い渡嘉敷島のことを思い出した。
島では幸い天候に恵まれた。気温の低い午前中は日傘さしての山歩き(日差しが強い) 午後はScuba dive、たまには昼寝して過ごした。
島の様子
★ すばらしい浜と透明な海
私はウオータースポーツが好き、その関係で方々の海岸を知っているがここの浜の美しさにはびっくり。公害がまったく無いとはこんなものか！！ 丹後浜詰の鳴り浜も真っ青！
当然海水の透明度もぴか一、20Ｍ潜っても驚くほど周囲が明るくカラフル、海底でも日焼けしそうだ いや参った。
★ みずみずしく光った道路沿いの草木
島にも舗装道路がある ところが自動車にも人にも会わない、その結果道端の草木が汚れていない。新緑に輝いている、知らなかった、舗装道路沿いに汚れていない草がある。
★ 数が増えたか？ 鯨
この景色のすばらしい島には8ケ所も見晴台がある それぞれの場所ですばらしい景色を楽しめる。暇に任せ全てに登頂したが多くの見晴台で熱心に双眼鏡で海面を監視している若者に会った。時折携帯電話でどこかと話をしている、登頂への路上で人間に出会わなかった、もちろん車にも遇わない淋しい島の山頂に人がいる 不思議に思い尋ねたら鯨を見張っているとの事、監視結果を直接観光船に通報し鯨の居場所へ船を誘導 観客を満足させる仕掛け、いずれの見晴台からも3〜１０匹は鯨が見えるそうである。
私は昔100日ほど航海実習をした。イルカはたまに見たが鯨を見た覚えが無い。なぜかこの島ではどの監視員も鯨を見ている、どうやら鯨の数が増えたらしい。それにしてもお観光客を満足させる為の努力には感心した。
Scuba diving以外にWhale watchingが島の産業になったようだ。
★ 水雷艇出撃？
島への交通手段の高速艇は双胴船、250頓、4500馬力だそうだ。昔の常識しかない私にはびっくりするような大きな馬力／頓
港を出るとあれよあれよと言う間に33ノット、平水ならば37ノット可能か、これは第二次大戦中の駆逐艦の戦闘速、大きさは水雷艇、GPSで地図と刻々の速度が表示される。
さて高速のまま荒波の中を突っ走る事になったらしい。揺れが激しく時折舷側に張られた強化窓ガラスが波に洗われる 全員シートベルトをしているとはいえ予期しない勇ましさ。
敵艦見ゆとの報に接し〇〇〇〇〇本日天気晴朗なれど波高し と旗艦三笠より発信された日本海海戦、あの時は波が高過ぎて水雷艇使用不能、引き返しとなったが、ほぼ同じ天候の本日ほぼ同じ大きさの我船は出撃？
すばらしい壮挙に浸っているうちに飛沫でかすむ左舷波間に岩礁発見！！ と思ったらそれが跳ね上がった**鯨と判明** 船内騒然 右舷着席中の乗客まで船体の激しい揺れを忘れて左舷に動く始末 それもつかの間鯨は再び水中に潜り船尾方向に流れるように消えていった：：：：第1巻の終わり。
“この船賃は安かった”
この島の自然は不思議なほど汚されていない、浜を台無しにするテトラポッドも無い、海には鯨が戻ってきた。是が非でもこの美しい自然を残したい。
おわり