2003.09.12.

      1億円の御堂筋パレード        安藤 義信

 愈々阪神優勝の瞬間がやって来た。
 大のトラ フアンとしては嬉しい限りだが、時に度を超したフイーバーぶりが報道されると、
僕は本当に悲しくなる。特に、優勝に便乗する人々の商魂のたくましさには呆れている。
 スポーツをこれほどまでに「商売=儲け」に利用してよいものだろうか。
 これで又、東京のジャイアンツ フアンに馬鹿にされる・・・・・・。

 ところで、優勝すれば御堂筋で大パレードが行われるという報道が目に入った。
 大変結構なことである。しかし、それを1億円もかけてやるというので驚いた。
 お金はこれから関西財界が総力を挙げて集める・・・という。
 こういう発想しか生れないから、大阪の地盤沈下が続いているのだ。

 1億円も懸けるのなら、大阪の人はどうしてそれを道頓堀川の浄化に使おうとしない
のだろうか。
 先日のテレビを見ると、道頓堀川の汚れは本当に酷い。
 東京の隅田川は最近とても綺麗になった。それに較べると、道頓堀川は優勝を喜んで
川に飛び込むフアンの生命が危ぶまれるほど汚れているという。
 この際、川に飛び込みたいフアンは飛び込ませてやったら良い。
 ヘドロの掃除をして、その代わり有料でやったら良い。一人1万円も取ればかなりの
財源になるだろう。

 昔の大阪商人は、普段はケチでも、お金を使うべき時は思い切ってお金を使った。
 大阪城、中之島の公会堂、天王寺公園の市立美術館・・・すべてがそうであった。
 最近はそういう発想が大阪から出て来ない。東京人と同じことしか考えない。
 今は財界の大御所も、大きな顔はしても、自腹のお金を投じることはないのだろう。
 せいぜいそれぞれの出身会社に口利きをして済ませるだけだろう。
 そういう事だから、お金を生かして使う発想が生れて来ない。

  「水の都」を誇るなら、まず川を綺麗にすることだろう。
 その為に18年ぶりの阪神優勝を利用して欲しい。