モーツァルト音楽のセラピー効果

　モーツァルトの音楽が健康に良い、癒されるといった話は聞かれたことがあるかと思います。人間のみならず、牛に聞かせると乳の出が良くなる、野菜が美味しくなる、生長が早くなる、などの話をテレビや週刊誌でも取り上げています。

　モーツァルトの音楽に含まれる高周波や「ゆらぎ」が人間の脳や副交感神経に働きかけ、がんやアレルギー、生活習慣病の予防、治療、美容への効果がある等、免疫音楽医療を研究し、「アマデウスの魔法の音」「モーツァルトを聴けば病気にならない」などのベストセラーで稼いでおられる埼玉医大の和合和久教授が私の近所にお住まいです。話上手な先生で聞く人を飽きさません。

　話は変わりますが、皆さん、障害者自立支援法という法律をご存じでしょうか。小泉政権が福祉分野に送り込んだ「障害者にももっと負担して貰おう」という法律です。医療費のみならず、障害者の福祉施設利用負担金も大幅にアップしました。

　私は昨年１０月、精神障害者福祉施設をやっとの思いで２ヶ所立ち上げましたが、その途端、このすざましい法律に立ち向かうことになりました。福祉施設も不足分は自分で何とかしなさいということで、運営補助金が大幅に削減されます。

　何か稼ぐ方法はないものかと思案の末思いついたのがモーツァルトでした。生誕２５０年を利用させて貰おうではないか。

　しかし地方都市の狭山市のこと、モーツァルトの名前だけではちょっと心許なく、和合先生に相談したところ、精神福祉をやっているのだからセラピー効果を打ち出してはどうかとのアドバイスを貰いました。ボランティアの解説者として舞台に立っても良いよ、との有り難い提案も貰いました。

　早速、会場を押さえ、地元出身のプロのアンサンブルと折衝をはじめました。この人達の演奏は何度も聴いており、結構高い水準と評価していましたので、格安の出演料で引き受けてくれた時はほっとしました。精神福祉施設のチャリティコンサートということで有り難いことに皆さん快く協力してくれます。タイトルを「モーツアルト・セラピー・コンサート」としてポスターを作成し、ボランティア仲間を中心に、ポスター貼り、チラシ配り、チケット販売を依頼して回りました。

　１４００席の大ホールなので当初は心配しましたが、２０００円という手頃な料金とモーツアルトの名前、セラピーという時を得たトピックのお陰でチケットは完売できました。

　９月２３日（土）のこのコンサートは、１７０万円ほどの利益と、来場者の好評の内に終えることができ、ほっとしています。１０月１５日の東京二八会も好評の内に無事終えましたので、悔いのない年末を迎えることができそうです。

（なお、冒頭のモーツァルトの肖像画は著作権料１０万円ということで使用しませんでした）


当日の解説とプログラム

和合教授

　私は、モーツァルトの音楽に秘められたある音の周波数と小川のせせらぎのようなゆらぎ、そして和音に満ち、音と音が衝突してより高い音が生み出される倍音という特性に注目してますが、この３つの要素がバランスよく含まれていることが現代人の健康を維持する上で大変役立つことを見出してきました。
　最近は、精神的不快なストレスや働き過ぎ、寝不足などが増加しています。この生活スタイルや生活習慣病が、自立神経の中でも、活動的に作業する交感神経を緊張させる結果、様々な病気を発生させています。

演　奏

「シンフォニー４０番　K550」
　　人間の耳に敏感に感じ取れる約4000ヘルツ以上の高い周波数の音が存在しており、交感神経の働き過ぎを押さえ、冷え性、高血圧、肌荒れや便秘症に効果が期待できます。　

「アイネクライネナハトムジーク K525」
「ディベルティメント K136」
　 　これらの曲は、体の体温を上昇させたり、唾液の分泌を促す作用を示すなど、特に心身を安静に導く副交感神経に影響する要素を多く持っています。

「歌曲　春へのあこがれ　K596」
　　モーツァルトの最後となった１７９７年に作られ、輝きに満ちた曲です。

「ピアノ協奏曲２１番　K467」

「弦楽四重奏曲１７番 「狩」　K458」
　　２つのバイオリンとヴィオラ、チェロの演奏によって、12000ヘルツ以上の高い周波数が生み出され、副交感神経にうまく作用して、血液の流れを改善したり、心拍を安定してくれます。

「フルート四重奏曲　K285」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

                                                       

06.12.11 　　　　

　水谷眞次郎