03.06.27

　　　　　　ミズバショウをたずねて 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 小田一栄   

   予てより念願の“尾瀬”散策の旅、元気に歩ける内に・・・

と夫と出掛けることにした。特にミズバショウに出会いたくて

花の最盛期は？・・と問い合わせて、６月はじめということに

なり、東京から電車とバスを乗り継ぎ、やっと十二平に到着し

た。スキーシーズンには多くの人が訪れる尾瀬戸倉。

   ホテルの目前にはゲレンデが広がり、リフトも今は骨休め、

素晴らしい山々を眺めながら其の日は一泊。翌朝バスで、鳩待

峠へ向かう事にした。流石にミズバショウの季節、遠足の小学生、

修学旅行の高校生等大勢の人で賑わっていた。

幸い好天に恵ま

れ尾瀬散策には

絶好の日和　期

待に胸膨らませ

て出発。狭い山

道を転ばぬよう

足元に気をつけながら歩く事一時間余り、途中緑の森を縫う清流

に目を奪われ、キラキラと輝く水に手を触れたかった。又木の間

から垣間見る残雪の美しい山々、感動の連続！　沼に近づくにつ

れミズバショウがちらほら、・・・可憐な姿を見せはじめた。

　そして遂に”山の鼻“に到着、心地よい疲れで一休み、あたり

を散歩。道端にはまだ雪

も残っていてカメラに

収めたり手に触れてみた

り。昼食後愈々歩き始

めたが、至仏山へは時間

が掛かりすぎるので引き

返し尾瀬ｹ原方面へ向か

うことにした。少し行くと早や其のあたりからミズバショウの

群生、白い鳩が一面に群がっているような美しい風景　”きれ

い！“”かわいい！“を連発、景色に気を取られて木道から足

を踏み外さないよう歩く。すれ違う人達はそれぞれに”コンニ

チワ“と挨拶を交わし、夏の思い出　を口ずさみ　ハーモニカ

を奏でながら通りすぎる人、実に爽やかな尾瀬の一日であった。

　翌日は老神温泉へ向かったが、途中谷川岳　一の倉へ立ち寄り、

その険しい山々での遭難者が多いことを知らされ、山のお天気の

急変がいかに恐ろしいものであるかお話を聞きながら　吹割の滝

を見物、自然の美しさに心うたれ老神へ向かった。

このたびの尾瀬旅行、忘れられない旅の一つとして心に残ること

と思う。