２００２．１１．１１．

　　建長寺法堂に天井画が完成しました　　　　　　安藤　義信

　これは建長寺法堂（はっとう）前にある　石塚友二（１９０６〜８６）の句です。

　このたびこの法堂の天井に、小泉淳作氏による「雲龍図」が完成し、素晴らしい秋晴れの日に

開眼法要が行われました。

　法堂は「はっとう」と読みますが、住職が説教を行う場所です。

　日本の龍は大自然の力を秘め、いささか荒々しい面もありますが、神聖な存在として語られる

ことが多く、雲を呼び、雨を降らせる力があると言われます。　そこで「説法を聞く人に法の雨が

降り注ぐように」との願いをこめ、龍が天井画にされるようになりました。

　今回の天井画は約１０ｍ×１2ｍの大きなもので、寺内にある１２６畳の大広間で描かれました。

　石塚、小泉両氏とも鎌倉ゆかりの人で、小泉さんはこのあと京都の建仁寺にも「双龍図」を

描かれました。建長寺と建仁寺は共に臨済宗で、親しい関係にあるようです。

　　　　　　　　　　　　　　雲　龍　図　点　眼　　　　　　栢樹庵

　　　　　　　　法雲慈雨澤乾坤　　　　（法雲の慈雨乾坤をうるおし）

　　　　　　　　威體戒雷動大千　　　　（威體の戒雷大千を動かす）

　　　　　　　　意気分明活清眼　　　　（意気分明なり清眼をひらく）

　　　　　　　　悠然操玉鑿開天　　　　（悠然として玉を操り天を鑿開す）

　栢樹庵とは、建長寺現管長　吉田　正道　師　のことです。