０５．０７．０８


                                        続　湘南海岸を歩く

                                                                 その　１2

　　　　　　　　                     　　　野口　幹夫  
 
                         15、 追記　その２　　カラスの親子

第６ウミネコとの再会の章で、カラスの夫婦のこと、「はしぼそ」カラスと「はし

ぶと」カラスが、カップルでいるという不思議な光景を書いた。先週海岸を歩いてい

て、いつものようにカラスの群れに出会ったとき、あっと思った。あのカップルが

いると思ったのだ。そして今度は少し近くで見えた。それでやっとあの時は、間違え

ていたのに気がついた。やや小ぶりの方が、大きな方に擦り寄っていって、口をあけ

たのだが、その中が真っ赤なのである。巣立ったばかりの子カラスだったのだ。小さ

い姿は、はしぼそカラスとも見紛う形なのだ。子カラスは、まだえさを自分でとるこ

とはできないので、親から口移しで何かもらうのである。口の中が真っ赤な間は、そ

れができるのだとどこかで読んだ。わたしはそのしぐさを夫婦のカップルと思ったの

だが、とんだ推し付け想像だった。夫婦のカラスはもっと白々している。巣に近寄る

ときも、お互い離れて交代でよっていく。あのような親密な摺り寄りは親子の間でし

かなかったのだ。とんだ勘違いをご披露してしまって、お許しあれ。