05.05.19
第四十六回 高津五期俳句会
平成十七年五月九目
竹尾 嘉文 選
飛火野の馬酔木白々風にゆれ 今井 由紀子
蛞蝓を横目に出かける支度する 浅香 さとみ
片栗の花ひそやかに野辺の路 上島 晃子
母の日や囲む食卓賑やかに 久貝 貞子
新緑や仏と遊ぶ古都の寺 飯田 昭子
花冷やかすみのごとき別れかな 西本 俊子
山日和桜吹雪の酒の宴 小田 一栄
苔むせる石垣覆ふ糸桜 村島 栄三
板敷きの足裏にしみる花の冷え 岡 峰根子
日に透けて花びら舞へる通り抜け 和田 冨美子
蔦若葉壁一面に光受け 今井 由紀子
○花吹雪川面に舞ひて絵の如し 松浦 武子
◎法要の読経静かや花の散る 今井 由紀子
五月晴海の香を深呼吸 松浦 武子
のどけしや銀翼点となりて消ゆ 岡 峰根子
かがまりて草引く背なに五月の日 和田 冨美子
薫風を帆にうけ走る瀬戸の海 久貝 貞子
○母の日の何にもいらぬ母であり 浅香 さとみ
踏みしめる常盤木落葉畝傍山 村島 栄三
春筍孫の写真の添へて来し 上島 晃子
◎葉桜はすぎし花への癒しかな 塩田 亘子
高遠の桜は紅の雲と化す 平林 友一
くちびるの色もパステル春乙女 塩田 亘子
湖の青海津の花や暮れ惜しむ 今井 由紀子
○み仏の面ざしやさし春障子 岡 峰根子
朝もやに稜線暗し春の湖 小田 一栄
笹ちまき旅の車中にほどきけり 浅香 さとみ
レガッタの水尾引く艇や花の下 松浦 武子
ホテル街抜けて葉桜匂ひ出す 浅香 さとみ
野遊に疲れまどろむ芝の上 上島 晃子
城垣をうす紅に染め花の雨 岡 峰根子
国境老鶯をきく古刹かな 村島 栄三
白転車のなぎ倒されて春嵐 小田 一栄
めぐりゆく大和三山春霞 村島 栄三
風はらみかしぎつヨット湾巡る 上島 晃子
○うららかや欠伸の涙指で拭く 浅香 さとみ
○古希すぎて名残の花に身をなぞる 今井 由紀子
三分でも大満足の花見かな 松浦 武子
母の日と子等の笑顔を運び来る 久貝 貞子
友とするむかし話や花のふる 塩田 亘子
春疾風受けて波切るヨットかな 松浦 武子
○李咲くかひなきことは言はでけり 西本 俊子
水温むつひばむ鳥の川遊び 小田 一栄
テラスカフェ楽しむ午後の若葉風 岡 峰根子
春宵の淡き満月恋誘ふ 和田 冨美子
吾れひとりそっと咲きたし山ざくら 平林 友一
選 者 当 日 吟
○残り鴨北恋ふごとく羽榑ける
のどかさに時忘れたる寺苑かな
コーラスのもるる学舎花は葉に
今回は琵琶湖や牛窓の旅行の句があり、楽しかった様子が感じられました。
西本俊子さんも元気に顔をだしてくれました。また一緒に句を楽しみましょう。
○印は互選の時に特選として選ばれたもの、◎は二人の人に選ばれたものです。
なお、今回は添削は遅れます。