難民支援 ２００２年の平和の願いを込めて
渡辺禎雄聖書版画エジプト逃避
２００１年は戦いの中で暮れました。ヨハネパウロ教皇は終始一貫して「許しによる平和」を訴えてこられました。平和を訴える以外に無いことこそ、真の強みであった日本ですが、それを崩そうとする状況をひしひしと感じます。
我々イエスに従う者たちの身近な国際関係は、すべての滞在される外国人を、暖かく迎え、積極的によしみを通じることと思います。カトリックの滞日外国人と連帯する諸活動に関心を持ち、支援をすることが大切なことと思います。１２月にはテロの関係を疑われて、滞日アフガニスタン人が亡命希望者も含めて多数送還されようとする事件がありました。日本カトリック難民移住移動者委員会（委員長谷大二司教）は、すぐさま大阪・東京・埼玉の司教区で様々な形で支援されました。東京では引受人があればとりあえずの強制送還はされないことになったため、急遽いくつかの教会で引き受けられたそうです。そして１月末まで在日アフガニスタン難民支援の募金を始められました。
横浜司教区は、浜尾前司教様が１９９２年から滞日外国人と連帯する会を発足され、鹿島田教会の近くに事務所を持ち、専任のスタッフが２４時間体制で、支援活動をしてきました。
祖国では食べることが出来ず、出稼ぎが目的で来日している人が半分以上の滞日外国人たちの悩みは、まず不況の中で真っ先にされてしまうリストラと賃金未払いが襲っています。風俗営業で働く以外ない女性には暴力団がからむ人権侵害が、またほとんどの人が、健康保険に入れず、病気になっても病院は恐ろしくて行けず、ついには死に至るまでこじらせてしまうといったさまざまの苦しみがあります。
連帯する会で発足以来、働いてこられたという鈴木さんにこれらのお話をお聞きしました。彼のお母さんが韓国で教会のシスターに命を守られた経験を持っておられ、教会こそ、いのちのシェルターでありたいと情熱をかたむけてこの仕事に取り組んでこられました。我々小教区の教会献金の１５％が司教区に奉献され、その一部がこのような活動に使われていることを、喜びたいと思います。
この活動も、来年転機を迎えるようです。横浜教区報４５号で梅村司教様は、「外国籍信徒司牧の充実を図る。」のなかで、「横浜教区滞日外国人と連帯する会」は再編成すると述べておられます。この活動に直接指導しておられる鹿島田教会のソン神父様はベトナムの方です。ソン神父様のご経験から、連帯する会が作られた１０年前とは状況が変わったと見ておられます。それは「一時滞在」から「定住」の比重が多くなり、その状況下では、外からの支援ではなく、共に生きる姿勢の支援が必要になったとされています。ソン神父様は茅ヶ崎教会で叙階された千葉神父様と同期でしたので、覚えておられる方もおられるでしょう。その後米国に留学され、静岡教会を経て、今鹿島田教会の主任司祭をされています。４才の時ポートピープルとして来日されて苦労された経験から、同胞の支援には「共に生きる」を文字通り実践されています。蒲田にベトナム料理店を開き、その資金をつぎ込んでおられるそうです。毎月ミサ解説のベトナム語版を仲間と共に制作発行されています。フィリピン人は川崎貝塚教会に、同じように集まっておられるようです。確かにソン神父様のおっしゃるように定住者中心の同胞支援は、何より力強いものがあるでしょう。
とはいえ今回のアフガニスタン難民のように、定住者の基盤も弱い人たちに対する従来型の支援活動が必要でなくなった訳ではなく、どのように改組されるのか、関心を持って行きたいと思います。
以下に日本カトリック難民移住移動者委員会からのアッピールをお伝えします。
在日アフガニスタン難民支援の募金を始めました。
隣人として、兄弟姉妹として彼らを受け入れるために、皆様の理解とご協力をお願いします．また、こうした事実を多くの人に伝え、援助の輪を広げてください。
＜送金方法＞
一口；1000円
郵便振脊：00110-8-560351 加入者名；「日本カトリック難民移住移動者委員会」 通信欄に「アフガニスタン難民の緊急支援」と書いてください。
＜日本の入国管理局収容所に拘束中のアフガニスタン難民たちからのメッセージ＞
私たちは自分のいのちを救うためアフガニスタンから逃げて来ました．
私たちは国連の助けが必要です．
私たちは日本政府、日本の人々の助けが必要で
私たちは世界め人々の助けが必要です．
私たちを助けてください．
私たちは、まじめな人間です．
私たちは、善良な人間です．
私たちは、助けを必要としています．
私たちは全ての善良な人々を信じます。
私たちはせ界の善良な人々と同じ生活を望みます。
全員よりの感謝を込めて、
日本の東京入管の刑務所にいるアフガン難民より
＜問い合せ先＞
日本カトリック難民移住移動者委員会
東京都江東区汐見2-10-10 日本カトリック会館６Ｆ電話03-5632-4441
E-mail;cicjapan@jade.dti.ne.jp