荒山努兄の深刻な動静

　　　　　　　　　　　　　　　　　　千葉宜嗣

 

荒山務兄は、今は彼と私の二人のみが野球部５期（８人）の生き残りです。

彼が㈱牛長の社長を息子さんに譲り、辞してもう１０年近くに成るとか思います。手塚山に1人（奥さんは介護ホーム）気まま暮らしでした。私方とは自転車にて10分位の近さにて常に良く往来していて、帰るのに手塚山への坂道を上るのにつらく成って来たと、昨年末に電動自転車を買い、「楽に成った」と喜んで居りました。

 今年、4月初めころに何時もの如く電話を掛けても出ない、又幾たびか掛けても音沙汰なし。10日頃、電話は呼んでいるのに出ないのは少々気に成って彼の自宅を訪問してみたところ、自慢の自転車がきちんと置いて有る、何処かへ旅行でもして居るのかとも考えたが、それなら言って行くだろうとも考えて不安な気持ちに成り会社へ電話をして見たが事務の方では分からないと言いいます。

そうしている内に先輩の村田氏から荒山と連絡が取れない病気でもして居るのかと聞いて来たので、又会社へ問い合わせたが連絡しますからと言ったままのところ、暫くして北村後輩から電話が有って“どうも事故か怪我で入院しているらしい“と言ってきました。会社へ行って聞いても教えて呉れないとの事でした。

放っておけない、ならば捜そうと病院を3件ほど回って尋ねた結果、なんと私がかって脳手術を受けた府立急性病院に入院していたことがわかりました。4月30日11階病室へ急いで上がって行って見た、やつれた姿に涙が出て暫く声を掛けられなかった。オーイと体を揺り起こしたら、じーいと見てから“おお、来て呉れたか”と言って“こんな事に成って仕舞って情けない”と一言です。私が何故連絡して呉れなかったのかといったら、携帯電話も家の鍵も何も無い、皆預かって呉れているのだといいます。

それから色々と聞いて分かったことは、電動自転車で区役所へ行った帰りにトラックと衝突したらしい、首筋の神経を痛めたのか、手先、足先の動きが出来ないのです。

暑いので冷たい飲み物が良いと思い、買って来ましたが自分では食べられない、アイスクリームは一匙ずつ口へ、コーヒは手を添えて口へ運んであげました。それから村田先輩や北村君、その他の人に連絡をしたのです。

 

5月の連休明けまでの一週間は毎日、不自由の無いように見舞いに通い、電話を持って来て呉れないので、私の携帯から未だ仕事の残っている各人に連絡もしました。意識は割合確りしていたので未だ良かったのです。10日位してからは3日～4日に一度の割合で見舞いました。果物、特に西瓜を細かく切ったのをよく食べて呉れました。外に何か欲しいものはと聞いたら“うなぎ”が食べたいとの事で住吉の上手いのを持って行ったら、少し食べて残りを夕食に置いておくと言っていました。リハリビも行はれていたのでこれから良く成って行くと確信しました。

 7月2日、見舞いに行った時、明日病院を変わるからと言いました。翌日3日昼過ぎに松虫中学の同期会世話人と打ち合わせが有り、終ると直ぐの3日３時頃、病院へ行ったら既に移転していていたのです。看護師の詰所にて何処の病院に替ったのかを問い合わせしても、それは守秘義務で教えられないとの事、色々の医師や別途に看護師等に聞いても駄目でした。会社に問い合わせても返事なしです。

野球部OB現会長に代表して会社へ行って貰ったが教えない。OB会長が社長と有った折りに“そっとしといて欲しい”と言っていたと報告を受けた。私も改めて息子さんの社長に直接手紙を書いて出したのが１０月下旬、未だに返事を貰えないでいます。

親しい友人達と逢って少しでも元気を取り戻す事が一番だと信じるのですが、今は方法がなく途方に暮れています。